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■Ethereum Classic(イーサリアムクラシック)とは
Ethereum Classic(イーサリアムクラシック)は、略号がETCの仮想通貨(暗号通貨)です。
7月20日に行われたハードフォークの実装を行わずに、その後も元のブロックチェーンを維持しているプロジェクトです。つまり、ハードフォーク前のETHの事です。
元々はイーサリアムであり、ハードフォーク(後述)によって二つに分離しました。
ETCは「イーサリアムクラシック」というプロジェクト内の通貨のことを指します。
イーサリアムと比べると、仮想通貨として備えている性質はほぼ同じで、スマートコントラクトという優れた機能がウリになっています。
スマートコントラクトは、別名『契約の自動化』ともよばれています。ビットコインが取引の記録をブロックチェーン上に残すのに対し、ブロックチェーン上に取引の記録に加えて、契約情報を記録することできます。
これによって、自動で売買契約の支払いなどを行うことができるようになります。
イーサリアムとイーサリアムクラシックに分離した理由ですが、とある事件をきっかけに(後述)、開発した技術者たちが方向性の違いで内部分裂を起こしたためです。
イーサリアムは将来性などが非常に評価されており多くの技術者や投資家が協力していました。しかし、高い価値を持っているため、サイバー攻撃にあうことが多く、セキュリティが課題になっていました。
そんなときに、DAOというイーサリアムを使用して開発された仮想通貨に、50億円以上のハッキング被害が出たのです。
これに対しイーサリアム開発チームは「ハードフォークによって不正送金が行われる前の状態に戻す」という手段を取ることで解決を図りました。そして最終的にはコミュニティの約90%がこれに賛成し、ハードフォークが実行されイーサリアムの不正送金は無効化されました。
この対応が中央管理的な介入であるとして、あくまで非中央集権的な暗号通貨を目指すコミュニティの一部が反発し、ハードフォークを拒否しました。その一部の技術者が新しいプロジェクトとして作ったのが「イーサリアムクラシック」です。
そして、ハッキングの被害に合わないようにイーサリアムよりも拡張性を制限し、セキュリティや安定性を向上させています。
イーサリアムの取引高で世界最大クラスの暗号通貨の取引所である「Poloniex」がイーサリアム・クラシックを取り入れたことで、ハードフォーク以前のイーサが取引できるようになりました。
その結果、仮想通貨の中でも時価総額がトップ10に入るまでに成長しています。
■Ethereum Classic(イーサリアムクラシック)の特徴
・略号はETCで、イーサリアムとほぼ同じ特徴を持つ
・発行上限枚数は、イーサリアムと同じで理論上無限
・スマートコントラクトを導入
・ハードウォークによりイーサリアムとイーサリアムクラシックに分離
・アルゴリズムはEthash/Casper
・イーサリアムクラシック(Ethereum Classic)の発行上限枚数は無限(イーサリアムと同様、技術的には上限を増やしていくことは可能で、どこまで増やせるのかもはっきりとはわかっていません。)
■ハードフォークについて
ハードフォークは互換性のないアップデートのことをいいます。
イーサリアムではハードフォークを行うにあたりコミュニティが分裂しました。仮想通貨のブロックチェーン技術は、中央管理者を介さないことが支持を集める大きな理由ですが、ハードフォークはそうした理念に反するためです。そこで仕様変更に賛成できないコミュニティから誕生したのがイーサリアムクラシックです。
ハードフォークが実行された2016年7月20日以降、イーサリアムクラシックはイーサリアムとは別のブロックチェーンに記録されています。
ハードフォークは、Code is Lawという仮想通貨の考えた方に反するとして、技術者の中でも賛否両論が分かれています。Code is Lawとは、「ブロックチェーン上においてコードこそが法であり、支配権を持つ」という考え方です。
■イーサリアムの価格変動の影響を受けやすい
イーサリアムクラシックはイーサリアムとの違いがほとんどないので、イーサリアムの価格変動の影響を受けたり、逆にイーサリアムの価格に影響を与える傾向にあります。
実際、イーサリアムのマイナー(発掘する人)と流通量が、ハードフォーク前に比べると減少したことでイーサリアムの価格が一時下落しました。
知的体育会系アート脳の変化人(@satoimocoin)です!